【徹底解説】ダイビングした後、何時間後に飛行機乗っていいの?
こんにちは。「プロぼっちダイバー」kazu(@kazu_anemone12)です。
ダイビング後、飛行機乗るまで「最低何時間」空けないといけない?
移動手段が「飛行機」の場合、必ず考慮しなければならないのが「ダイビング後、飛行機に乗るまでの時間」。
これを知らないと、「減圧症」になる危険があります。
潜水終了時に発症する病気で、ダイビング中に身体から抜けずに溜まった「窒素」が気泡化することで発症。(潜水病とも呼ばれる)発症すると血液や脊髄、脳、肺、脂肪、関節など様々な身体の組織にダメージを与えたり、血管を防いでしまう危険性がある。
主な症状:関節の痛み、筋肉痛、けいれん、手指の麻痺、めまい、嘔吐など
飛行機に乗って標高の高い場所へ行くと、ダイビング中に溜まった窒素が気泡化してしまい、最悪命に関わる危険性があります。
なので、ダイビング後は飛行機に乗るまでに身体に溜まっている「窒素」を抜いてあげる必要があります。
特に沖縄へダイビングに行く人は、計画を立てる上で「待機時間」を必ず知っておくべき!
結論から言うと、以下の通り。
推奨時間 | |
1日1本ダイビング(単一) | 最低12時間以上 |
1日複数ダイビング or連日ダイビング(反復) | 最低18時間以上 |
上記は、最もメジャーな指導団体「PADI」の公式サイトからの情報なので、信頼性は高いですよ。
ただし、上記の情報はあくまで推奨時間なので、個人差も考慮して「本数に限らず、ダイビング後24時間空ける」ことをおすすめします。
この記事では、プロダイバーであるボクが、
- ダイビング後、飛行機に乗るまで何時間空ければいいの?
- 時間を空ける必要ってなに?
- 飛行機に乗る前日の過ごし方で注意点ってある?
以上の内容を徹底解説していきます。
【結論】ダイビング後は「最低12時間」空けてから飛行機に乗ろう!
ダイビング後、飛行機乗るまで「最低何時間」空けないといけない?
上記の疑問に答えると、以下の通り。
推奨している待機時間 | |
1日1本ダイビング(単一) | 最低12時間以上 |
1日複数ダイビング or連日ダイビング(反復) | 最低18時間以上 |
最もメジャーな指導団体「PADI」の公式サイトでも、上記の「待機時間」を推奨しております。
ここでの待機時間は、「ダイビング後に水面へあがった直後からスタートしてカウント」する
ダイビング後、飛行機に乗るまで空ける時間は
- 1日に何回潜ったか
- 連日でダイビングしたか
この2つによって変わります。
1日に1回(酸素ボンベ1本分)のみダイビングした場合、空ける時間は「12時間以上」。
「1日に2回以上(酸素ボンベ2本分以上)」or「2日以上」ダイビングした場合、空ける時間は「18時間以上」ということになります。
①1回のみダイビングで午前11時に水面にあがった場合、飛行機に乗れるのは「午後11時以降」。
②連日複数のダイビングで午前11時に水面にあがった場合、飛行機に乗れるのは「次の日の午前5時以降」。
ただし、これはあくまで推奨時間なので、念のためダイビング後「24時間」空けることをおすすめしますよ。
ボクもダイビング後、飛行機に乗るまで「24時間以上」空けるようにしています
ダイビング後、すぐに飛行機に乗ると【減圧症】になるリスクが高い
ではなぜダイビング後、すぐに飛行機に乗ると「減圧症」のリスクが高まるのか。
それは、身体に溜まっている窒素が気泡化してしまうから。
潜水終了時に発症する病気で、ダイビング中に身体から抜けずに溜まった「窒素」が気泡化することで発症。(潜水病とも呼ばれる)発症すると血液や脊髄、脳、肺、脂肪、関節など様々な身体の組織にダメージを与えたり、血管を防いでしまう危険性がある。
主な症状:関節の痛み、筋肉痛、けいれん、手指の麻痺、めまい、嘔吐など
そもそも、減圧症になる理由は以下の通り。
スキューバダイビングのタンクの中の空気は、約8割の窒素と約2割の酸素で構成されています。この空気を吸いながら水中に潜りますが、潜水中は周囲からの圧力で、普段地上にいるとき以上に身体の組織や血液・体液に窒素が溶解します。この状態の後に、急浮上して水中から地上に上がると周囲からの圧力が低下するため、組織や血液・体液に溶けこんでいた窒素が気化して気泡が発生し、この気泡が組織を圧迫したり、血液から酸素の供給を妨げたりして障害を起こします。
※社会福祉法人恩賜財団済生会の公式サイトより引用
陸上で生活している分には、身体に窒素が溜まることはありません。
しかし、ダイビング中は水圧のかかった状態で「窒素:酸素=8:2」で構成された酸素ボンベで呼吸しながら潜るので、陸上にいる以上に身体中に窒素が溜まりやすくなります。
この状態で水中から地上へ急浮上(1分間に18m浮上する速度より速い浮上)したり、高度の高い場所へ行くと窒素が気泡化してしまい、減圧症を引き起こしてしまいます。
身体から窒素を排出するために、地上へあがる前に水深5m付近で3分間の「安全停止」を行うことが推奨されております
よって飛行機に乗る場合、ダイビング後は身体から窒素が排出されるのを待つ「待機時間」が必要になるということですね。
待機時間中に「標高の高い場所」へ行くのはNG!
ダイビング後、飛行機に乗るまでの待機時間中に「標高の高い場所」へ行かないようにしましょう。
例えば、山登りなどのアクティビティで高所へ移動する場合も減圧症になるリスクが高まります。
実際、PADI公式サイトでも「標高400m以上の移動で減圧症発症のリスクが高まる」ことを示しています。(詳しくはこちらへ)
ここでは、ダイビング後の待機時間中に「標高の高い場所」へ行かないことを覚えておきましょう。
【注意点】飛行機に乗る前日の過ごし方を解説→主に4つ
上記では「ダイビング後、飛行機に乗るまでの待機時間」を以下の通りに推奨しております。
1日1本ダイビング(単一) | 最低12時間以上 |
1日複数ダイビング or連日ダイビング(反復) | 最低18時間以上 |
ボクは最後のダイビングから「24時間以上」空けることをおすすめしておりますが、
ここでは「減圧症のリスクをより減らすための前日の過ごし方」を解説しております。
飛行機に乗る前日の過ごし方は、以下の通り。
①長時間のダイビングをしない(1本80分の長時間ダイビング)
②なるべく深い場所に行かない
③水面休息を長めに取る
④エンリッチド・エア・ナイトロックスを使用する
過ごし方というか、注意点ですね!
上記は、減圧症になるリスクをより減らすことができますよ。
ただし、①~③は「ファンダイビング」だとダイビングショップのスタッフが管理しているので、ボクらがコントロールしづらい部分です。
なので、ボクのおすすめは「④エンリッチド・エア・ナイトロックスを使用する」ことです。
通常より酸素の割合が多いタンク(酸素濃度21~40%以内)のこと。「エンリッチ」or「ナイトロックス」と呼ばれることが多い。エンリッチを借りる場合は、エンリッチド・エアスペシャリティが必須になる。
エンリッチは通常のタンクより酸素量が多いので、
- 通常より疲れが残りにくい
- 減圧症になるリスクを軽減できる
以上の恩恵がもらえますよ。
エンリッチを借りるなら自分の希望で借りれますので、おすすめ。
ボクもエンリッチド・スペシャリティを持っていますが、使うと本当に疲れにくくなります。
エンリッチを借りる場合は、エンリッチド・エアスペシャリティが必須になるので、気になる方はダイビングショップへ問い合わせましょう。
エンリッチド・エアスペシャリティはダイビングショップで受けることができます。ショップを探してコースを開催しているか確認してみてくださいね。
「スペシャリティコース」について詳しく知りたい方は、以下の記事をご参考ください。
体験ダイビングの方は、不安であれば待機時間を「24時間」にしましょう
では、体験ダイビングの方はどうすればいいのか?
こんな疑問を感じたかと思います。
体験ダイビングの方はライセンスを持っていないので、自分でコントロールするのはほぼ無理です。
エンリッチド・エア・ナイトロックスも、ライセンス持っている人でないと借りれません。
では、どうすればいいのか?
結論から言うと、不安であれば飛行機までの時間を「24時間」空けてましょう。
自分で対策できるのは、そのくらいかと思います。
安心していただきたいのが、ダイビングショップ側は体験ダイバーに対して細心の注意を払いながら案内しているところ。
案内してくれるインストラクターは経験豊富なプロダイバーなので、体験ダイバーへは安心安全に案内してくれると思います。
潜る前に注意事項なども話してくれるので、安心してください。
それでも不安なら、飛行機までの待機時間を「24時間」確保しましょう。
【まとめ】飛行機の時間まで、のんびり過ごしましょう!
今回は「ダイビング後、飛行機に乗るまでの待機時間」について解説しました。
待機時間(推奨) | |
1日1本ダイビング(単一) | 最低12時間以上 |
1日複数ダイビング or連日ダイビング(反復) | 最低18時間以上 |
ただし、身体から窒素が抜ける時間は個人差があるので、待機時間を24時間以上空けることがおすすめ。
待機時間中は観光やショッピングなど、自分の好きなことをしてゆっくりのんびり過ごしましょう。
ボクは沖縄旅行の最終日、待機時間中は周辺散策したり、海をぼんやり眺めながら過ごしたりしてます。
以下の記事では「久米島に行った際の過ごし方」をまとめております。ご参考ください。
以上が参考になれば嬉しいです。
ありがとうございました。